未経験エンジニアへ転職後の学習の選び方

本と動画講座に囲まれたのんが、目の前の仕事の画面へ目を向ける場面 エンジニア

こんにちは。のんです。

私は「自分の市場価値を高めたい」という目標のもと、未経験でエンジニアへ転職しました。

しかし、転職後の私は「周りより知識がない」という焦燥感に駆られていました。

技術書を読んだり、資格を探したり、Udemyを受講したり。

とにかく勉強さえすれば、いつかはムキムキエンジニアになれるだろうと信じていたからです。

凄まじいオーラをまとい、ムキムキの腕を見せるのんの後ろ姿

しかし、手を広げた先にあったのは、なんともいえぬ無力感でした。

「これ、やった意味あったかな・・・」

一生懸命勉強したはずなのに、仕事でその知識を使えている実感が持てませんでした。

そんな迷走を振り返って、今はこう考えています。

何を勉強すればいいか迷ったら、まず今の仕事に目を向けてみる。

そこで必要な知識を見つけてから、実務も含めて学び方を選ぶ。

この記事では、私の学習迷走と、仕事を通して学ぶ目的がはっきりした経験をお話しします。

「まじエンジニアって何勉強すればええんやろか」と感じている方が、今の仕事に生かせる学びを探すための判断材料になればうれしいです。

勉強しているのに、仕事で手応えがなかった

資格を取れば、学び漏れがないと思っていた

私は勉強をするとなったら、まず、その分野の資格を探していました。

ネットワークならネットワークの資格。データベースならデータベースの資格。

資格の勉強をすれば、必要な知識をひととおり学べる。そんな安心感があったからです。

クラウドサービス「AWS」についても、研修や自己学習でいくつかの資格を取得しました。

しかし、さらに上位の資格を勉強している途中で、実装の仕事に必要なPythonというプログラミング言語の学習が必要になってしまいました。両方を並行して進めるという器用なことはできず、結局挫折することになりました。

AWS以外にも、基本情報技術者試験やLinuCなど、勉強を中断したものはいくつも存在します。

一方で、取得できた資格もありました。履歴書の資格欄に書けるものが増える。努力の証が残る。それもうれしかったんです。

ただ、仕事で勉強した知識に出合っても、

「ああ、こんな構成が試験に出たなー」

「こんなサービスがあったなー」

とぼんやり思い出すくらいでした。

見覚えはある。でも、それで何ができるのかを、人に説明するところまでは届いていませんでした。

振り返ると、この頃は資格を取ること自体が、勉強の目的になっていたのだと思います。

受講し放題だから、気になる講座に手を広げた

会社の制度で、Udemyの法人向けサービス「Udemy Business」を利用できる環境もありました。

Udemyは、さまざまな分野をオンラインで学べるサービスです。たくさんの講座を受講できる。なんてありがたいことでしょう。

しかし、私にとっては一つの罠でもありました。

「受講し放題だから、気になったもの全部やろう!」

そうして、受講しては途中でやめて、また別の講座を始める。気づけば、マイラーニングには途中までしか受講していない講座が約30件ほど並んでいました。

我ながら、なかなかの品ぞろえです。

こちらも先ほどの資格勉強と同様で、受講中に仕事が変わり、必要な知識も変わったため中断した講座もあります。

ただ、それ以外にも問題がありました。

講座を見つけることはできる。でも、今の自分に必要な講座を選べているのかは、よく分かっていなかったのです。

選択肢がたくさんあることと、必要なものを選べることは、また別の話でした。

実装を学びたかったのに、準備で止まった

実際にプログラムを書く、実装の仕事をしていた頃のことです。

私は個人でWebアプリを作ろうと考えました。

「自分でアプリを作れば、現場で使える知識が身につくかもしれない!」

そこで、まずは要件定義から始めることにしました。

要件定義とは、作りたいシステムにどんな機能や条件が必要なのかを整理することです。

そして、要件定義書を作った後は、基本設計書と詳細設計書も作る。画面設計書も必要ですね。

それにしても、そもそも要件定義書って、どう考えて作ればいいんだろう。

「そうだ、Udemyで勉強しよう。」

設計をちゃんとしておけば、実装が楽になるはず。でも、そもそも設計書って何書けばいいんだろう。

「そうだ、Udemyで講座探しとこう。」

そうして、調べなければならないことが増えていきました。

やがて、最初の勢いはすっかり消えてしまいました。肝心の実装は、まだ始まっていません。

転職後、個人でWebアプリを作ろうとしたのは3回ほど。どれも要件定義の段階で撃沈しました。

実装を経験したかったのに、実装を始めるための準備が、いつの間にか一大プロジェクトになっていたのです。

ほかにも、「エンジニアはこれを読んでおけ」系の本を買ったり、イベントに参加したり。

知識を定着させようとQiitaの毎日投稿を始めたものの、1週間も続かなかったこともあります。

学びたい気持ちはありました。時間も使っていました。

それでも、仕事でできることが増えたという手応えには、うまくつながっていませんでした。

本とパソコンを前に、どうしてだろうと首をかしげるのん

私は何ができるようになりたかったのか

こうして振り返ると、迷走にはそれぞれ違う原因がありました。

資格の勉強では、取得すること自体が目的になっていました。

Udemyでは、講座の選択肢が多くても、何を優先して学ぶか決められていませんでした。

個人開発では、実装を経験したいという目的があったのに、その前の準備に力を使いすぎていました。

共通していたのは、勉強することに意識が向きすぎて、その先で何ができるようになりたいのかを見失っていたことです。

例えば、今の私が実装を経験するために個人開発を始めるなら、作りたい機能を一つか二つ選んで、画面や処理の流れを簡単に考え、まず動かしてみる方法を選びます。

その過程でつまずき、調べ、試すことにも学ぶ価値があると考えているからです。

もちろん、設計が不要という話ではありません。

何を経験したいかによって、必要な準備も学び方も変わるのだと思います。

では、そもそも何を学びたいのか、何ができるようになりたいのかすら分からないときは、どうすればよいのでしょうか。

私にとって、その手がかりになったのは今の仕事でした。

PowerPointと格闘して、Figmaを学び直した話

現在担当しているシステム開発の要件定義で、画面要求書を作ったときのことです。

画面要求書とは、システムの画面に何を表示し、どんな操作が必要なのかを整理する資料です。

例えばログイン画面なら、ユーザー名やパスワードの入力欄、ログインボタンの配置や操作などを考えます。

私も、画面に何をどう並べるかを、資料に載せる画面イメージとして作る必要がありました。

IPAの画面レイアウトの記載例
出典:IPA「機能要件の合意形成ガイド(ver.1.0) 分冊3 画面編」/Copyright©2010 IPA

そこで、最初に使ったのがPowerPointです。

図形をコピーして、位置を調整する。数ピクセル動かして、また調整する。

これが、まったく作業が進まんのです。

画面を考えるための仕事なのに、図形をちまちま動かす作業に、ずいぶん手間がかかっていました。

さらに面倒なのが、後からデザインを変更するときです。

例えば、複数の画面に同じデザインのボタンを置いたとします。

そのボタンの色を変えたくなったら?

PowerPointでそれぞれコピーして作っていた場合、一つひとつ修正していくことになります。

超絶面倒くさいです。私のように変に細かいところが気になる人間にとっては地獄のような作業でした。

「もっと効率よく作れないか」

そこで思い出したのが、以前少し触れたことのあるデザインツール、Figmaでした。

Figmaは、Webサイトやアプリの画面デザインを作れるツールです。

以前、手当たり次第に学習していた頃、Figmaに触れたことがありました。そのときに受けた研修でもう一度学び直し、画面作りに使ってみました。

特に便利だったのが、コンポーネントという機能です。

ボタンなどを再利用できる「部品」として作る仕組みで、一つ作ったデザインを複数の場所で使えます。

しかも、ただコピーできるだけではありません。

例えば、同じデザインのボタンを5か所に置いたとします。

後からボタンの色を変えたくなった場合、元になる部品のデザインを修正すると、その部品を使っている箇所にも変更を反映できます。

同じ設定を持つ部品を、一か所ずつ探して直す必要がないのです。

もちろん、個別に設定を変えた部品などは扱いが異なりますが、共通するデザインをまとめて管理できるのは便利です。

元の部品を直す → 使い回し先にも反映
元の部品:ボタンの色を変更青 → 茶
1か所目茶
2か所目茶
3か所目茶
4か所目茶
5か所目茶

同じ設定を引き継いでいる場合の説明図です。個別に設定を変えた箇所などは扱いが異なります。

参考:Figma公式・コンポーネントの説明をもとに作成

ようPowerPointで作ってたな、私。

以前の私は、Figmaを勉強していても、何のために使うかがはっきりしていませんでした。

でも、このときは違いました。

画面要求書に載せる画面イメージを作りたい。

図形の調整ばかりに時間を使いたくない。

そのために、Figmaの使い方を学びたい。

学ぶ目的が、目の前の仕事から見つかったのです。

何を学ぶか迷ったら、今の仕事から探してみる

ここまでの話は、私が画面要求書を作る仕事をしていたから見つかった学習テーマです。

しかし、同じ仕事をしていなくても、自分の担当業務から学ぶ手がかりを探すことはできます。

ここでは、今どこで迷っているかに合わせて、二つの入口を考えてみます。

① 何が分からないか分からないなら、仕事の全体像を知る

「今の自分に必要な知識を挙げてください」

そう言われても、

「それが分からんのや」

となることがあります。

私も未経験で転職したばかりの頃は、そもそも仕事で何をするのか、どんな知識が必要なのか、十分に想像できませんでした。

そんなときは、いきなり勉強する分野を決めようとせず、自分の仕事が何をするためのものなのかを知るところから始めてもよいと思います。

例えば、私の場合は次のようにつながりました。

  • 担当する仕事: 画面要求書を作る
  • そのために必要なもの: 資料に載せる画面イメージ
  • 学ぶ対象: 画面イメージを作るためのFigmaの使い方

仕事の目的が分かると、そのために必要なものが見えてくることがあります。

担当する仕事の全体像が分からなければ、社内資料を確認したり、周囲の人に尋ねたりする方法もあります。

例えば、「今の仕事では何を作るのか」「その成果物は誰が何のために使うのか」「参考になる過去の資料はあるか」といったことです。

何を質問すればよいか分からなければ、仕事の流れを教えてもらうところから始めてもよいと思います。

社内資料や人への相談だけで分からなければ、入門書や講座で全体像を知る方法もあります。

仕事を少し進めてみて、初めて疑問が見えてくることもあります。

最初から、分からないことを全部整理できている必要はありません。

② 具体的な疑問があるなら、それを学習テーマにする

一方で、仕事の中で「ここが分からない」という疑問が、すでに見えている場合もあります。

そんなときは、その疑問自体が学ぶ対象になります。

私にも、後から振り返って「そこを調べればよかった」と思う経験があります。

過去にWebアプリの実装をしていた頃、図を使ってJavaScriptがどこで動くのかを尋ねられたことがありました。

しかし、私は十分に説明できませんでした。

結構悔しかった。尋ねてきた人の微妙な表情は、今も思い出せます。

ところが、その後に私が考えたのは、

「JavaScriptを勉強しなければ」

という、なんとも漠然としたことでした。

いや、学習範囲が広すぎる。

今振り返れば、あの質問そのものが学ぶ入口でした。

「JavaScriptはどこで動くのか」

そこから調べれば、必要な知識をもっと絞れたはずです。

同じように、例えば実装の仕事で「入力した値がどこへ渡るのか分からない」と困ったとします。

そのときに知りたいのは、プログラミング言語のすべてではなく、入力された値が処理の中でどう受け渡されるのかという仕組みです。

大きな分野を丸ごと勉強しようとするより、まず目の前の疑問を学習テーマにする。

それも一つの選び方だと思います。

学ぶ対象が見つかったら、学び方を選ぶ

ここでようやく、資格や講座、書籍といった学習方法の出番です。

例えば、Figmaの使い方を学ぶなら、研修を受け直す、公式の説明を読む、実際に画面を作って試すといった方法があります。

JavaScriptの動作する場所を知りたいなら、関連する説明を調べたり、周囲の人に聞いたり、簡単なプログラムを動かして確かめたりする方法が考えられます。

一つの方法だけで学び終える必要もありません。

大事なのは、資格を取ることや講座を受講することを、先に目的にしてしまわないこと。

何を知りたいのか、何ができるようになりたいのか。その目的に合わせて学び方を選ぶ。

これが、学習で迷走していた頃の私に伝えたいことです。

それでも、興味から始めた勉強は無駄じゃなかった

ここまで、今の仕事から学ぶ内容を選ぶ方法をお話ししました。

ただ、「これを勉強したい!」と思うものまで、今の仕事に直結するかどうかで切り捨てたくはありません。

実は、私自身がそういう勉強に助けられたことがあります。

転職したての頃、業務とは関係なく、

「イラストレーターやりてぇな」

と思っていた時期がありました。いわゆる現実逃避ってやつです。

その頃にWebデザインを勉強し、Figmaの研修も受けていました。

当時は、まさか後に画面要求書を作る仕事でFigmaを使うことになるとは思っていませんでした。

しかし、以前に触れたことがあったからこそ、画面作りで困ったときに「Figmaを使えないだろうか」と思い出すことができました。

手当たり次第に学んだことが、後になって仕事とつながったのです。

もちろん、興味から始めた勉強が何でも仕事で役立つとは限りません。

それでも、過去に勉強したことを仕事に生かせたときは、うれしいものです。

おわりに|迷ったら、まず今の仕事に目を向ける

未経験でエンジニアへ転職した頃、私は資格や講座をあちこち探していました。

とにかく勉強すれば、いつかはムキムキエンジニアになれると思っていたからです。

しかし、手当たり次第に学ぶだけでは、仕事でできることが増えたという手応えを持てずにいました。

そんな私が、Figmaを学び直して感じたことがあります。

「今の仕事で何をする必要があるのか」が見えると、学ぶ目的も具体的になる。

もし今、何を勉強するか迷っているなら、まず今の仕事に目を向けてみてください。

仕事の全体像が分からなければ、何をする仕事なのかを知るところから。

具体的な疑問があるなら、その一点を学習テーマにするところから。

そこから、社内資料、人への相談、書籍、講座、実際に作ってみる経験など、自分に合った学び方を選んでいけます。

そして、今の仕事とは関係なくても、純粋に興味を持った勉強まで否定する必要はないと思っています。

私にとっては、かつて何となく触れたFigmaが、後に仕事の助けになりました。

何でも勉強すれば必ず役立つ、とは言えません。

でも、何を学ぼうか迷ったときには、遠くにある「いつか必要になるかもしれない知識」だけでなく、目の前の仕事にも、学びの入口があるかもしれません。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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