皆さんは新卒の頃、どのような経験をしましたか?
私は新卒で入社した会社を1年3ヶ月で辞めました。
仕事がしんどくて、辛くて、常に仕事のことが頭から離れなくて、精神的に限界を迎えていたからです。
でも、ニュースや新聞で見るような、残業時間が月に何百時間を超えたり、職場の人からきつい嫌がらせをうけていたり、
ということは一切ありませんでした。
むしろ優しくしてくれる人もいましたし、好きな人もいました。
そんな環境だったのにもかかわらず、なぜ私は会社をやめるにいたったのか。
当時書いていた日記を見ながら、記憶を掘り起こして、記事を書いてみました。
少し長いですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。
新卒で食品工場へ入社

私は、Fランと呼ばれる4年制大学を卒業後、食品工場へ新卒入社しました。
就職面接を受けたのは食品工場1社のみ。SPI試験・面談ともに1回の試験で合格し、とても嬉しかったことを記憶してます。
私が配属されたのは、資材部でした。
この部署の正社員は、1年後に定年を迎える上司が1人。
あとはパート従業員が4人の少数精鋭部隊でした。

仕事はざっくりと、以下のようなことをしていました。
- システム or FAXで発注
- 荷受け、検品
- 入荷した資材の開封作業、所定の場所に置く
- 在庫確認
発注業務は、資材部の仕事の肝と呼べます。
資材とは、工場で使用する食材・梱包材・トレー類・化粧シールなどです。

パートさんには主に
- 荷受け、検品
- 段ボールからの開封、コンテナに入れる作業
- 在庫確認
- 冷蔵庫、冷凍庫の整理
をやってもらっていました。
荷受け量が多く、パートさんの出勤が少ない時は、社員も開封作業に入ります。だから、午前中は開封作業で潰れます。
完璧に仕事をこなす上司
私の仕事は、上司から資材部の仕事を引き継ぐことでした。
上司は、マニュアルや口頭で作業を説明するのではなく
「目で見て覚えろ」タイプの教え方だったので
出勤から退勤までの時間、上司に張り付いて仕事を覚えていきました。

上司は当初「資材部の仕事はヒヤヒヤするで」と言っていました。
私は最初の1ヶ月ほど、全くその危なさやヒヤヒヤ度がわかりませんでした。
後々、毎日がヒヤヒヤ心臓バクバクの日々を送ることになるのですが。
資材部の仕事の肝である発注作業は、
上司のノウハウの蓄積によって行われている印象でした。
私の工場では、某スーパーに出荷するお弁当やおにぎりの製造をメインに行っており、
使用資材の大半は、このスーパーからの受注量に左右されます。
おにぎりを例に説明します。
通常、おにぎりの受注量は1日約800個ほどです。
これがスーパーのおにぎり特売日になると、受注量は約2000個ほどに跳ね上がります。
また雨の日であれば、600個ほどになったり、
休日や祝日であれば1200個ほどになったりと、
天気や曜日によっても受注量は異なることがわかります。
800個のおにぎりに使用する資材の内訳はざっくりと以下のとおりです。(gなどはテキトーな数値です)
- 海苔800枚
- 白米90.6kg (120g x 800)
- 具材(鮭、梅、昆布など)16kg(20g x 800)
- 添加物類(ph調整剤など)
- おにぎりフィルム800枚
- 化粧シール800枚
- ラベルシール800枚
上司はこれらの要因で変化する受注量を、過去の経験から得た実績から予測していました。
もちろん、特売日と予想受注量は事前に工場内で共有されています。
しかし、その予想受注量に対して、実際の受注量は大きく異なる場合があります。
例えば、予想受注量が2000個のところ、実際の受注量は1000個ということもあります。
資材部にとってこの差は大きいです。1000個分の材料が余ります。

予想受注量はあんまり鵜呑みにせんほうがええで、と教えられました。
また、食材の使用量についても
他の工場の資材部とは一味違った、上司ならではの方法で算出していました。
基本的に、他の工場では食材の使用量を
“カルテ”を使って計算していました。
カルテとは、先程のおにぎりで説明したような、
製品の資材の内訳が記載されたレシピのようなものです。
イメージはこんな感じです。チャッピーに書いてもらいました。
ちょっといろんな情報が付加されていますが….。

工場内で製造しているすべての製品のカルテと製造数量(受注量)の情報さえあれば、
1日で使用する資材はおおまかに計算することができます。
ですが上司は、実際の消費量の増減が激しいことを経験で把握していました。
まず、機械でもない限り、カルテ通りぴったりに盛り付けはできません。
また、予備用の使用分もあります。
さらに、床に落とす・調理に失敗するなどして過剰に使用する日もあります。
またさらに、例えば、計算上では1pc中の半量しか使わないものでも、実際の製造現場では1pc丸々使うといったこともあります。(キリがいいからでしょうね)
このように、机上の計算だけでは、実際の消費量を算出する事は難しかったのです。
実際に計算で使用量を算出し、毎日の発注を行っている他の工場は結構欠品を起こしてる、と聞きました。
欠品:製品の製造に必要な資材が不足していること
このことを踏まえ、私の上司はカルテを基に計算するのではなく
1週間の在庫の減少具合を見ながら、各曜日での消費量の傾向を把握する、という方法をとっていました。
ちなみに在庫の確認は、とてもアナログチックな方法でした。
紙に印刷された“在庫管理表”をバインダーに挟み、
それを持ち歩きながら工場内の在庫を1つずつ確認し、数量をその紙に記載していくのです。

在庫管理表とは、Excelで作成されており
”資材部の心臓”と呼んでも過言では無いくらい、重要なファイルです。
このファイルの行には、工場内で使用している資材類が一覧化されて記載されています。
列には日付と、在庫と発注量が記述されています。
イメージはこんな感じでしょうか。チャッピーにHTMLで作ってもらいました。

一週間の初め、すなわち月曜日に在庫量が入っていない状態の在庫表を一週間分(月〜土)印刷します。日曜日はメーカーが休みのため資材の納品がないので、資材部自体が休みです。
そして、紙に記載した数量をExcelの在庫管理表に打ち込みます。
この在庫管理表に記載された在庫量をもとに、発注量を計算します。
1週間単位で在庫の減少量を見る理由としては、
先述したおにぎりのように、曜日ごとで資材の消費量が異なるからです。
とてもシンプルなやり方ですが、欠品のリスクが最も低い方法だなと思います。
在庫の確認ミスや、Excelへの転記ミスさえなければの話ですが。
そして最後に、資材部でやるべき仕事の1つとして
廃棄金額をできるだけ減らすことが挙げられます。
毎月定例で行われる会議で資材部は、
前月の廃棄金額・今月の目標廃棄金額を工場長に報告しなければいけませんでした。

食材・もしくはその他資材類が廃棄となる要因は2つあります。
- 製品の終売
- (食材の場合は)賞味期限切れ
月初に、製品の改廃が全社的に実施されます。
改廃:製品の終売と、新製品の入れ替え
その時に、終売となった製品では使用していたが
新たに製造する製品で使用しない場合は、
基本的にその資材は廃棄となります。
廃棄を免れる方法としては、主に2つあります。
まず一つ目は、
その資材類が他の工場で使っているか
もしくは他の工場の新製品で使うかどうかを調べ、その工場で使ってもらうことです。
ごく稀に、使用量が少なすぎて断られる時もあります。
そういう時は、廃棄です。
私の勤務していた工場のみ
他の工場とは違う取引先(先述したスーパー)の製品を製造しており、
その取引先限定の資材類が多かったので、少し難易度が高かったです。
二つ目の方法としては、
賞味期限のない資材類であれば、今後の改廃で再び使うことになるかもしれないので、空いている場所に置いておくことです。
ここでまた少し難易度が上がる要因として1つ。
私の工場は置くスペースが少ない、というところでした。
特に冷凍庫・冷蔵庫は
使用する食材の種類が多いくせに、他の工場より小さい!!!!
と上司が嘆いていました。

そのような中で上司は、廃棄になってしまう資材類に関しては
限りなく廃棄量を少なくできるよう、先述したノウハウを駆使して
ギリギリまで発注量を調整していました。
まだ私の上司の素晴らしい仕事ぶりはたくさんあるのですが、
全て書くとそれだけで1記事が完成してしまうため、ここでは控えます。
ただ一言、とても尊敬できる上司でした。

完璧に仕事をこなす上司の足を引っ張る私
5月の中旬には、発注業務を担当させてもらえるようになりました。
常に上司に横についてもらいながら。

上司の発注のやり方は、「土曜日に一気にやる」でした。
在庫管理表に記入された月〜土曜日までの在庫量から
1週間の使用量を算出し、バッファを加えて翌週の発注量にします。
その1週間分の発注量を、各曜日で納品日を分けます。
例えば、
- 化粧シール類は火・木・土曜日だけ
- 冷凍の鶏もも肉は、月・水・金・土曜日
といった具合です。
この時、パートさんの出勤人数などを考慮して、ある程度発注量を分散させます。
また、1週間分の使用量だけでなく、特売日があればその前日には多めに納品します。
超超余談ですが、冷凍の鶏もも肉は1ケースに2kg× 6pc入っていて、
多い時は1日に15ケース納品したこともあります。
これが硬いし重いし、しかも袋に穴が空いてることが多く、私はこの鶏もも肉が大嫌いでした。
そうして計算した発注量は在庫管理表に打ち込んでいきます。
そして発注量を記入した後はこの在庫管理表を印刷し、
この紙を見ながら、システムに一週間分の発注量を入力していきます。
これで土曜日の大仕事は終わりです。

以上の発注業務を踏まえ、私が上司の足を引っ張りまくったお話をします。
前提として、資材部において最もやってはいけないことは、
欠品により製造ラインの稼働を止めてしまうことです。
これを”致命的な失敗”と名づけましょう。
では、その他の「失敗」は何があるのでしょうか。
資材部の典型的な「失敗」として最初に挙げられるのは、「発注ミス」です。
その次として挙げられるのは「発注漏れ」です。
私は初っ端からこれらの「失敗」を連発していました。
それぞれどのような違いがあるのか、見ていきましょう。
まず発注ミスとは、
シンプルに発注をミスっていることです。
特売日の見落としや、在庫確認ミスから使用量の計算間違い、
気づかぬうちに使用量が増えていた資材の見落としなどから、発注量の計算をミスってしまうパターン。
その他には、余ってきた在庫の調整をするために発注量を削りすぎたパターン。
既に使っていない資材を発注してしまうパターンや
同じメーカーの商品コードが違うものの発注をしてしまったパターン
(例えば、煮卵を間違って、塩ゆで卵を発注してしまったことがあります)
などです。多種多様ですね。全部私がやりました。

続いて発注漏れについてです。
発注漏れとは、
在庫管理表に書いてある発注量は正しいがシステムで発注ができていないことです。
どういうことでしょうか。
発注漏れに気づくことが多かったのは、発注量の計算をしている土曜日でした。
1週間の使用量を計算していると
「あれ?これ発注してるはずなのに、在庫増えてへんねんけど」
システムを見ます。
(数字が入ってない!!!!!!!)
つまり、
印刷した在庫管理表を見ながらシステムに発注量を打ち込む時、
行を飛ばして入力とか、しちゃってるんですよねぇ。

運が良かったのは、この失敗が”致命的な失敗”につながらなかったことです。
特に、メーカーが休みでかつ納品がない日曜日に在庫がなくなる、
といったパターンは最悪です。材料を仕入れる術がないので、”詰み”です。
これが無かっただけマシだった・・・・と思っておきます。
ちなみに、失敗が起きたときに製造ラインを止めないためにはどうすればよいのか。
答えは
自分で取引先の営業所まで取りに行くか、
もしくは
他の工場で使っているものであれば、その工場の資材部の方に送ってもらうようにお願いするか、
です。
ちなみに、「自分で取りに行く」とは、
営業の車を借りて取引先に直接取りに行く。ということを指しています。
しかし私は車が運転できないので、
- 手の空いてる営業の方に取りに行ってもらう
- もしくは上司に取りに行ってもらう
上記いずれかの選択肢しかありませんでした。
つまり製造部だけでなく周りの方にも多大なご迷惑をおかけすることになります。
このことを考えると、失敗するわけにはいきませんね。
ちなみに私は、4回ほど上司を車で取引先まで走らせた記憶があります。

それでもこの頃は、
「慎重に、何度も確認!」
「おちついてシステム・FAXに入力!」
と、新卒らしく、前向きな姿勢を崩さず頑張っていました。
そして、私は上司にあまり怒られた記憶がありません。
上司は常々こう言っていました。
「資材部の仕事は難しい」と。
資材部の仕事を最も理解している上司だったからこそ
私の失敗に対して、怒ったり、呆れたりするのではなく
カバーしてくれたのだと思います。
そんな人だったからこそ、
申し訳なさと、自分の不甲斐なさでどうにかなりそうでした。
入社して5ヶ月。上司から独り立ち。
9月になり上司の手を離れ、いよいよ社員一人で資材部の仕事を回すことになりました。(上司は別の部署をメインに見ることになりました)
最初は、頼りになる上司がいないことが不安で不安で仕方ありませんでしたが、
それも最初のうちだけでした。
徐々に、自分のペースで自由に仕事ができる現状と、
「自分のおかげで資材部が回ってる!」という思い込みが強くなってきて、
段々と自分に酔い始めていました。
社用携帯(ガラケー)を託された時は嬉しかったですね。
部署を任されてる。多分新卒でも1人で仕事を回してるのは私だけだな、って勝手に優越感に浸ってました。
仕事ができてる(と思い込んでる)自分に泥酔していました。ワーキング・ハイってやつです。

※ここでいうワーキングハイ:仕事ができてると思い、調子こくこと
入社して8ヶ月。雲行きが怪しくなってきた。
この頃になると、資材部配属当初に上司が言っていた「ヒヤヒヤするで」の意味が、痛いほどわかるようになっていました。
やばい発注量削りすぎた。在庫が少ない。次の納品まで足りるだろうか。
納品されてない。システムに入力できてへんわ。
商品コードミスった。違う商品発注してしまった。
これ賞味期限もうすぐ切れそう。でもまだまだ在庫ある。廃棄になるどうしよう。
上司の場合は、上記のような、気をつけていれば起こらない失敗はしないので、「ヒヤヒヤするで」の意味合いが異なるかもしれませんが。
こうして小さな「失敗」を繰り返していると、徐々に自分が信じられなくなります。
頻繁にあったのは、製造部から
「xx(資材名)無いで」
と言われることです。
ちゃんと探せばあるんですけどね。
でも私は自分のやったことに自信がないから
「無い」と言われれば、心臓は跳ね上がり冷や汗が止まらなくなります。
「ちゃんと探してください」と、はっきり言えないところも
自分なら「失敗」をやりかねないと思っているからでした。
上司だったら、はっきりと言っていたのになぁ。

年末年始。メーカーは長い休みに入ります。
羨ましいですね。ほんと勘弁してほしいです。
メーカーによっては、1週間分以上の発注をしておかなければいけません。
納品は大晦日の前日ぐらいまでは可能だった気がします。
しかし、メーカーが休みであれば発注は受け付けてもらえないので、
年末年始に欠品に気づいた場合は、”詰み”です。
この頃の私は連休という存在が大嫌いでした。
発注ができず、常に欠品の恐怖と闘っていたからです。
何とか”致命的な失敗”を起こすことなく、無事に年末の発注を終えた私は、入社して初めての連休をいただきました。2連休でした。
年始は、納品も発注もないからです。
この時くらいから、漠然と「しんどいなぁ」と思い始めていました。
そして特に先の事は考えず、
現状から逃げたいと言う気持ちから転職サービスに登録しました。
エージェントと面談を行い、現状の説明と経歴、漠然と転職したいと考えている旨を伝えました。
しかし私には何の経歴もありませんでした。
大学は食品学科で学んでいました。
けれども管理栄養士や調理師といった国家資格を所有しているわけではありません。
自分にアピールできるポイントが見当たりませんでした。
そして、新卒で入社して1年も経ってません。得られた経験値が少なすぎました。
そのうえ、事務職は嫌でした。
「転職先はそう多くない」と言われた記憶があります。
結局、エージェントと一度面談をした後、転職活動する事はありませんでした。
入社して10ヶ月。大きな壁、立ちはだかる。
年末年始を終えて一段落ついた頃。(私の気持ちは、不安で常に落ち着いていませんでしたが)
上司から節分(恵方巻の材料の発注)の話を聞いていたので、
次の大イベントは節分かぁ・・・(ため息)。
失敗せんようにせんとなぁ・・・(ため息)。
などと考えながら、日々の業務をこなしていました。
そんな中、節分とはまったく関係のない
新しい仕事が私に(工場に)舞い込んできました。
その名も
コンビニプロジェクト
です。

今までは、主にスーパー向けの米飯類(お弁当やおにぎりなど)をメインで製造していましたが、このコンビニプロジェクトでは、新たにコンビニ向けの米飯類を製造することになりました。
会社としては大きな挑戦でした。
さあ大変です。
このコンビニプロジェクトでは毎週改廃が行われるそうです。
会社初のプロジェクトなので、発注量も不明です。
「ええええええええうそやろ無理ゲー」って思いました。
梱包資材やトレー、使う食材はほとんどが新規のものばかり。
新しい取引先も増えました。
この取引先がまた厄介で、リードタイムが鬼のように長いものばかりでした。10日だったかな・・・。
「来週から使うのに、納品間に合わんがな!」
と、資材部部長にクレームの電話をかけた覚えがあります。(もちろん口調は違います。)
また基本的に、改廃が行われる月初には、開発部門からカルテが送られてくるのですが
コンビニプロジェクトの改廃ではカルテが送られてきませんでした。
開発部門側もカルテの作成に間に合っていなかったのです。
毎週電話をかけました。「別にきれいなカルテじゃなくてもいいのでカルテください・・・。」
新規取引先や新規食材については
システムに登録されていないことが多く、どうやって発注すんねん!!!!状態でした。
こちらもほぼ毎週電話をかけました。「システムに登録されてないので発注できません・・・・。」
また、コンビニプロジェクトにおける新規材料を把握していない取引先もいました。
システムに商品は登録されており発注は可能でしたが、発注すると電話がかかってきます。
「xx(食材名)が発注されてるんですが、間違いですかね?」
Oh……
私も工場も本社も、あらゆるところが混乱していました。
毎週いろんな人に電話をかけまくりました。社用携帯が大活躍です。
前述した恐ろしくリードタイムが長い取引先については、結局どうにもならなかったので
1週間後だけではなく2週間後の改廃の情報についても
コンビニプロジェクト担当の開発部門に毎週聞きに行っていたことを記憶しています。
1週間後の改廃だけでも大変なのに、
なんで2週間後の改廃のことまで考えなあかんねん状態でした。
キャパオーバー寸前。
さて、このコンビニプロジェクトでは
今まで以上に、お弁当に使う材料の発注量を計算することが困難になりました。
開発部門から予想発注量は送られてくるものの、大抵大きく外れました。
予想数量の半分以下もあったし、
反対に予想数量の1.5倍の発注が来た
なんてこともありました。
絶対に欠品だけは起こさないように、基本的に発注量は多めに算出していました。
開発部門の出した予想受注量が800のお弁当が、
初日受注量が200。
次の日は100。
1週間後には40位になっていたお弁当もありましたね。
材料大量に余るがな。
1週間後の改廃で使わなくなる。
賞味期限はまだ先だから、置いておきたい。
でも冷蔵庫も冷凍庫もパンパンで、置くスペースがないのです。
どないすんねん。この食材。
何とか他の工場で食材を使ってもらえないか電話をかけたり、
資材部の部長やコンビニプロジェクト担当の開発部門に
食材の再利用をお願いしたりと
いろいろあの手この手で廃棄量を減らそうと頑張っていました。
資材部の部長にはかなり泣き着いたことを覚えています。
そうして大量に余った食材を、新商品で再度使ってもらえた時は
会話って大事だなぁと痛感しました。
ほかにも常温の材料は、いつか使うことを信じて
ずっと資材部のデスクの後ろにこっそりと保管していたことを覚えています。

それでも、食材は大量廃棄。
冷凍庫も悲惨な状態でした。
食品を入れるコンテナは、基本10個程度しか重ねてはいけませんでした。
また、1列のコンテナで別の食材を重ねると取りづらくなってしまうため、基本1列1食材です。

しかし、このコンビニプロジェクトが始まってからはそんなことを言ってられず、食材は重ね放題。
冷凍庫のどこに、どの食材があるのかが全くわからない。
製造部にとっては、宝探し状態になっていたと思います。
しかも、こんな状態でまともに在庫が確認できるはずもありません。
資材部のパートさんからは
「この食材どこに置いたらいいですか(苦笑)」
「冷凍庫、散らかりすぎて在庫確認できないです(苦笑)」
製造部のパートさんからは
「xx(食材名)無いねんけど!(怒)」
品質管理部門の社員からは
「冷凍庫が散乱しすぎ(無表情の怒り)」
「この資材使って無いですよね。廃棄してください(無表情)」
無理ゲー。
超余談ですが、私は品質管理部門の社員が苦手でした。多分私は嫌われてた。
廃棄する食材の中にはとても高いものも含まれます。
今まで完璧な上司が頑張って、部内の廃棄金額を減らしてきた苦労はどこへやら。
私の代で大量に廃棄金額が増えました。(前年度比600%!!)
捨てた後に、何週か先の改廃で再度使うことになった資材もいくつかありました。
「おいいいいいいいいいいいいうそやろおおおおお」
ってなりました。
コンビニプロジェクトのおかげで、私の頭はパンク寸前でした。
3月末位になったらほぼ毎日のように失敗していました。
在庫確認ミス・発注ミス・発注漏れ・予想数量大幅に上回る製造量(もしくは下回る製造量)での余剰在庫(もしくは欠品)…etc
ある日の午前中に、製造部のベテランパートさんから
「午後に製造する弁当の材料ないねんけど(怒)」
と言われた時は、怖すぎて心臓が口から飛び出そうでした。
その材料はその日で使用が終了するので、発注量を削っていたのです。
すでに営業さんに取りに行ってもらうよう頼んでいて、ギリギリ間に合う予定でした。
「すみません!!!!製造時間には間に合わせます!!!!!!」
折れそうになる心は、なんとか気合いで支えました。
また別の日には、製造部の社員さんから
「なあ、xx(材料名)どこにあるん💢」
「すみません・・・。製造時間には間に合わせます・・・・。」
目から汁が出てきそうでした。
製造部社員もパートさんに囲まれてしんどい中、
材料が足りないと言う余計なストレスを抱えさせてしまったと、今では申し訳なさを感じます。
この頃は、そんなことを感じている余裕はありませんでしたが。
手当たり次第営業さんに電話をかけて、手の空いてる方に取りに行ってもらいました。
取引先の、人当たりの良い営業さんにも持ってきてもらったこともあります。
また、リードタイムを過ぎている材料でも、取引先に無理を言って納品日を早めてもらったことも何度もあります。
本当に納品が間に合わない時は、製造部の社員に製造時間を入れ替えてもらったこともありました。”致命的な失敗”未遂ですね。
多くの人に迷惑をかけたし、助けられたなと思っています。
ほぼ毎日冷や汗ダラダラ、心臓が握り潰されたようにしんどかったことを記憶しています。
何度も何度も頭を下げて
「すいません。」
と一生分言った気がします。
この、モーレツに私には無理ゲーだったコンビニプロジェクトで学んだ事は、
- 情報は受け取るだけでなく、自分から取りに行かなければいけない
- 失敗に気づいたら、取り乱す前に今の自分にできることをやり切る
- 会社の中では元気・笑顔・会話を絶やさない(笑えば、なんとかなるよ)
ということでした。
結構濃い経験ができたと思っています。今なら落ち着いて言えることです。
入社して11ヶ月。そろそろ、本気でしんどくなってきた
コンビニプロジェクトが始まってからは、ひたすら毎日の時間が足りなかったです。
荷受けの量も多いし。資材部、人少ないから仕事終わらない。勘弁して。
資材部は製造部に比べて、時間の自由が効くと周りに思われていたので、人件費の観点からなるべく残業しないように言われていました。
だから残業時間調整のために早退をすることもありました。早退した日、もしくは休みであった日でもこっそりと家に仕事を持ち帰っていました。
本当はだめなんですけどね。勤務時間内に発注業務が終わらなかったのです。
不安は常に消えません。
ちゃんと発注できたかな
システムの入力漏れはないかな
在庫の確認ミスは無いかな
材料足りるかな
明日はどんな「失敗」をしてしまうのかな。
私が失敗を起こすことなく、
自分のやることに対して自信を持てていたら、
こんなに不安になることもなかったのでしょうか。
ずっと泣いていました。夜に突然、涙が出てくるのです。
会社では平常心を保っている分、まだマシだと思いたい。
しんどい。疲れた。熱出へんかな? 工場潰れへんかなぁ、とかよく考えてました。
1年頑張ったし、もうやめよう
コンビニプロジェクトでドタバタ劇を繰り広げ、精神がすり減っていた3月末ごろ。
一緒に入った同期の男の子が退職代行を使ってやめました。
続いて、製造部の若手社員が、同じく退職代行を使ってやめました。
やめる間際、本人から直接聞いた話だと、彼は20連勤中だったそうです。
かくいう私もしんどさが限界突破していたので、この時期に辞める決意をしました。
1年経つしもういいだろう、と思ったのです。
ただ、退職代行だけは絶対に使わない、という謎のプライドはありましたが。
工場長には辞めることを伝えました。伝えたのは4月の末でした。
まだ転職先は決まっていなかったので、具体的な日にちは伝えませんでした。
周りが辞めていく中、私が辞めることも、薄々工場長は気づいていたと思います。
ごめんなさい、工場長。工場長は、良い人でした。
転職活動はこれからです。
転職活動、開始
既に登録していた転職サービスから、今までずっとメールが送られていました。
よくある求人情報メールです。
本当に、なんとなくでした。
その中の1件のメールが目に止まったのです。
未経験転職してみませんか、と言う旨のメールでした。
実は私は、転職したいと漠然と考えていた12月末ごろから、プログラミングを学習し始めていました。
私は転職サービスでIT業界への転職を希望している旨を書いていたので、オファーが送られてきたのだと思います。
普通なら埋もれてしまうようなメールだったと思うのですが
やけにそのメールが目につき、気づけば面談依頼を送信していました。
オンライン面談を通して、現状何を勉強しているのかを伝え
どういった分野の仕事をしたいのかを、担当のエージェントと話しました。
ここから本格的に転職活動が始まりました。
この未経験転職の活動についても、のちに記事にできたらと考えています。
写真を撮り、履歴書を書き、自己PR文を書き、実際に面談をした企業は2社でした。
そのうち最後に面談したのが、現在の私が勤めている会社です。
食品工場からエンジニアへ転職するまでの書類選考・面接については、「ポートフォリオなしで挑んだ転職活動の体験談」にまとめました。
転職前に使った教材や学習時間については、「未経験からエンジニア転職までに勉強したこと」で詳しく紹介しています。
もう、すぐに辞めたいけど
転職活動中は
自分が何者になりたいのかわからなくて、
でもすごい人になりたくて、
それなのに目的や将来のビジョンは全く見えなくて、
何を勉強すればいいのかもわからなくて、自分がとても回り道をしているように感じて。
不安とか焦りとか、悲しみがいろいろ溢れそうになっていました。
仕事とは別の苦しみが、この転職活動の時に生まれていました。
情緒はかなり不安定だったと思います。
一方で、仕事がしんどいことも変わりはありませんでした。
なんでやめるのこんな先なんだろう。今すぐ辞めたい。しんどい。きつい。とずっと思っていました。
自分で決めたことなんですけどね。
資材部の私の後任は上司で、
上司に今の仕事の引き継ぎをすることになりました。
申し訳なさで胸がいっぱいでした。
それでも上司は「(しんどさに)負けたらアカンで」と私を励ましてくれました。
本当に良い人でした。ちょっと連絡取りたくなってきました。
転職先が決まったら上司に真っ先に報告しました。
待ちに待った退職日当日がやってきた
7月中旬。とうとう最終出勤日になりました。
特に変わり映えのない、1日でした。
それも当たり前ですね。
この日が最終日なのは、私だけで
他の人たちは明日も明後日も、いつも通り出勤して仕事をするのですから、今日だけが特別という事は無いのです。
最後に事務手続きをして、
会社からの貸与物を返却して、
社員やパートさんたちに「今までありがとうございました」と言って、終わりです。
とっても余談ですが、品質管理部門の社員は出勤していなかったので挨拶しなかった事は頭に残っています。(多分偶然だと思いますが)
工場から出ると、
「あ、終わったんだ」と思いました。
本当にあっけなかったです。
もう行かなくていいんだなぁと思うと、
安心と同時に、言いようのない虚しさが心に残っていたことを覚えています。
と、いうわけで入社から1年3ヶ月の間
「おつかれさまでした。」
結局、しんどさって当事者にしかわからない
超長々とした体験記を読んでくださりありがとうございました。
この記事を書くにあたって、日記を見ながら、過去の記憶を少しずつ掘り起こしていきました。
「あー、こんなことあったなぁ」
「こんな風に思ってたんやなぁ」
と、どこか他人事のように日記を眺めていました。
そして当時の自分に対して、
もっと気楽に考えたらいいのに
そんなに仕事で思い詰めることないのに
そう思ってしまう、今の自分がいました。
でも、当時は
心の未熟さや不安定さであったり
知識や社会的経験の不足であったり
視野の狭さであったり
そういった様々な要因があり、今には無い思考が、苦しみやしんどさを生み出していたのだと思います。
ただただしんどかった、と言う気持ちだけは記憶に残っていますが、
今の自分には、当時の思考はわかり得ないものです。
よくニュースや新聞などで、仕事が原因で病気になったり自ら命を絶ったりする事象が目に入りますよね。
以前の私であれば
「仕事が人生の全てじゃないんやから、辞めればいいのに」と軽んじてしまっていました。
でも、辞められない理由が、どこかにあるんですよね。
その要因は、環境にあるのかもしれないし、
自分の気持ちにあるのかもしれない。
それに、同じ事柄が起きても、人によって受け取り方も違います。
私が経験したことも、ある人にとっては
ぬるゲーでたいしたことのない仕事だったのかもしれない。
今の自分が、過去の自分に対して他人事のように思ってしまうことも、
物事の受け取り方が変わったからなのでしょう。
だから、その人が感じているしんどさは、
今その時のその人だからこそ感じている感情で、
「辞めればいいのに」なんて、軽く言えないし言ってはいけない
ということを学びました。
転職してよかった
現在私はシステムエンジニアとして
システム開発のお仕事をしています。
毎日が新鮮なことばかりで、必死に頭をフル回転させて取り組んでいます。
わからない事はまだまだ多いですが、
知識を身に付けて、できることが増えていくこの仕事が楽しいです。
また、食品工場に勤めていた頃に比べて休みもかなり増えました。
こんなに休んでもいいの!?と思うくらい。
以前はシフト制で、有給は非勤務日に割り当てるという、よくわからない方式でした。有給ってこんなふうに使うんだなぁと、納得していました。なんでだよ。
連休も基本なかったです。欠品のことを考えると連休を取ることが怖かったからです。年末年始に2連休あっただけでした。すごいなぁ。
おかげで現在は、自分と向き合う時間が増え、たくさんのことを考え、行動することができています。
将来の事、お金、目標、生活習慣の改善、美容、人間関係、….etc
このように以前のことを振り返り、記事を書く時間もできました。
もちろん、転職してからは毎日が楽しいことだけ、という訳ではありませんが、
正直、今はとても幸せだと思っています。
あの時、行動してくれた自分に心の底から
「ありがとう」と言いたいです。
そして、「よく頑張ったね」と。

ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。

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